聖徳太子のゆかりのお寺、法隆寺
正岡子規の俳句でおなじみの「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」の法隆寺は、奈良県生駒郡斑鳩町にある仏教聖徳宗の総本山です。
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またの名を斑鳩寺(いかるがでら)といいます。造られたのは推古天皇15年(607年)といわれ、聖徳太子とのゆかりが深く、飛鳥時代の姿を現代に残した数少ない仏教施設でもあります。お寺の中は、金堂・五重塔を中心とする西院伽藍と、夢殿を中心とした東院伽藍に分けられ、境内の広さは約18万7千平方メートルもあります。西院伽藍で大事に保存されている木造建築物群は、世界でも最も古いものであるといわれています。また、法隆寺の建物群は「法隆寺地域の仏教建造物」として1993年に法起寺といっしょにユネスコの世界遺産に登録されました。法隆寺の建造については一般的に聖徳太子であるという説が有名です。しかし、聖徳太子は謎の多い人物で、20世紀にはいると聖徳太子は実在しなかった、とさえいわれるほどです。この説にはいろんな反論がありますが、納得できるような話が大山誠一さんによって書かれた『<聖徳太子>の誕生』のなかにあります。聖徳太子は架空の人物ではありますが、モデルとなった人物が存在するという説です。そのモデルとなったのが厩戸王で、その人物が斑鳩宮及び斑鳩寺を建てたことは史実として認められています。
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法隆寺には国宝に指定されているものも多く、その中でも五重塔は、木造塔としては世界最古の塔です。法隆寺は一年を通して太古の昔を思い起こさせてくれる貴重な場所です。奈良盆地の北寄りにある法隆寺の寒さは温暖な気候が多い近畿地方の中でも特別です。お正月に金堂や大講堂でおこなわれる「修正会」の法要では、張り詰めた空気の中、修行僧の顔にも緊張感が漂います。どこからともなく入り込んでくる寒風によって堂内の燈明の灯りが揺れ動き、厳かで神秘的な雰囲気に息をのんでしまうほどです。春は桜が咲き乱れ、参詣者に日本の春の訪れを満喫させてくれます。西院廻廊の東出口や大講堂の西にある桜が美しく、見物客も多いのですが、隠れた見所は西円堂付近です。ここでは人も少なく心ゆくまで法隆寺の春を楽しむことができます。夏には、「夏安居」という行事が行われます。これはインドで仏教が始まった頃からの習慣で、雨季の約90日間、僧たちが托鉢をおこなわず、一つの場所に籠って修学することです。しかし、法隆寺の「夏安居」は、聖徳太子の遺命によっておこなわれているともいわれています。そして、9月の中旬になると彼岸花が咲き始め、暑かった夏も終わりに近づきます。秋には、境内の柿やもみじも色づき、真っ赤な夕焼けを見られるようになります。このように一年を通して、自然を感じ、仏教の不思議な力が与えられる法隆寺を一度訪ねて見ませんか。